常不軽品三十箇の大事
第一 「常不軽」の事
御義口伝に云わく、「常」の字は、三世の不軽のことである(三世にわたって不軽が存在するということです)。
「不軽」とは、一切衆生の内証に具するところの※三因仏性を指すのである。仏性とは、法性のことである。法性とは、妙法蓮華経である。
<語句>
※三因仏性:正因仏性(あらゆる生命にある仏性のこと)
縁因仏性(生命に具する仏性を理解するための縁が必要となる、それを縁因仏性という)
了因仏性(その縁によって仏性を悟るのを了因仏性という)
成仏とは三因仏性が一瞬の生命に同時に具足し、三因仏性の因によって、法・報・応の三身即一の仏身とあらわれることをいう。
すべての人に仏界があるというのは正因仏性である。御本尊を信じ、題目を唱え、折伏に励むのは縁因仏性の働きである。自分の生命の内奥にある仏性を開発し、自分が仏であることを悟って成仏の境涯を得るのが了因仏性である。