普賢経五箇の大事
第一 「普賢経」の事
題号に云わく、「仏説観普賢菩薩行法経」云々。
御義口伝に云わく、この法華経(すなわち南無妙法蓮華経の御本尊)は十界互具・一念三千具足の法体であるから、三千・十界(宇宙森羅万象の現象も十界の生命も、)ことごとく「普賢」である。(妙法の智慧に照らされ、包含されている)
法界一法として漏れる義はない。故に「普賢(あまねく賢い」である。
妙法とは正報であり、蓮華とは依報である。十界はことごとく妙法蓮華経の当体であるから、依報も正報もことごとく妙法蓮華経の中に含まれるとの結論を下した経であるがゆえに、この「普賢経」を結経というのである。
したがって、普賢経では、十界は妙法蓮華経の一法に包含されると結論づけているのである。