第十五章 災難対治の方法を示す
＜本文＞
問うていう。どのようにして速やかにこの災難を止めるべきだろうか。
答えていう。速やかに謗法の者を対治すべきである。もしそうでなければ、数えきれないほどの祈請を行なっても、災難を止めることはできない。
第十六章 布施を止めて災難を対治
＜本文＞
問うていう。いかんが対治すべき。
答えていう。対治の方法はまた経にある。涅槃経には「仏言わく『ただ一人のみを除いて、そのほかの一切に施しなさい○正法を誹謗し、この重業を造る○ただかくのごとき一闡提の輩のみを除いてそのほかの者に施すならば、すべて讃歎すべきである』と」言われた。この文によれば、布施をやめて対治すべきであると思われる。この他にも対治の方法は多い。すべてを出す暇はない。
第十七章 謗法苦治に罪があるかを問う
＜本文＞
問うていう。謗法の者に対して供養をやめ、厳しい対治を加えるのは罪になるか、どうか。
答えていう。涅槃経には「今、最高の正法をもって諸王・大臣・宰相・比丘・比丘尼に付嘱する○正法を毀る者に対しては、王者・大臣・四部の衆は必ず厳しく対治すべきである○なお（対治した人が）罪になることはない」と説かれている。
