<説明>宝塔品で大楽説菩薩が仏に宝塔のことについて質問し、仏がこの宝塔の中には多宝如来という仏がいるのだと説明したところです。
第六 「国名(こくみょう)宝浄。彼中有仏(ひちゅううぶつ)、号曰多宝(ごうわつたほう)(国を宝浄と名づく。彼の中に仏有し、号づけて多宝と曰う)」の事
御義口伝に云わく、「(多宝如来の住む)宝浄世界」とは、我らが母の胎内のことである。「有仏(うぶつ=仏います)」とは、諸法実相の仏(十界互具・一念三千の仏)である。(ありのままの姿で、現実にいる仏のこと)。ここをもって(その仏をもって)多宝仏と名付けたのである。胎内とは、煩悩である。煩悩の淤泥(おでい)の中に真如(ありのまま)の仏がある。我ら衆生のことである。今、日蓮等の類い(日蓮とその門下が)、南無妙法蓮華経と唱え奉っているのを、当体蓮華の仏というのである。
<講義より>
「宝浄世界」とは、特別な世界を指すのではない。観念の世界でもなく、具体的には母の胎内をいうと仰せである。これ生命出生のもっとも大事な意義を宝浄世界と説いておられるのである。
<感想>
ここは感動ですね。母の胎内が宝浄世界やと!そこからすべての仏が生まれるわけですね。仏の種が植えられるのはそこやね。外部の音やら声やら聞いて、仏さんの卵は大きくなっていくわけですね。胎教は大事らしい。毎日、勤行と南無妙法蓮華経のお題目を聞いて育ったら、すごい仏が産まれてきそうですね。
第七 「於十方国土、有説法華経処、我之塔廟為聴是経故、涌現其前、為作証明、讃言善哉(十方の国土において、法華経を説く処有らば、我が塔廟はこの経を聴かんがための故に、その前に涌現して、ために証明と作って、讃めて善きかなと言わん)」の事
<説明>【これは↑、多宝如来が菩薩の修行をしていた時に立てた誓いの言葉です。】
御義口伝に云わく、「十方」とは、十界である。「法華経」とは、我ら衆生が永遠に生死の苦海を流転していくという十二因縁が説かれている。
よって(法華経は)言語の音声を指している。「善哉」とは、善悪不二・邪正一如である。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る処に、(仏界が湧現し、最高の幸福境涯をつかむことができるので、これを)多宝涌現というのである。