第二 「得大勢菩薩」の事
御義口伝に云わく、
「得」とは応身なり、(無量の功徳を得た幸福な人生の姿)
「大」とは法身なり、(偉大な生命自体)
「勢」とは報身なり。(生命の威光勢力、生命力であり、智慧)
また「得」とは仮諦なり、
「大」とは中道なり、
「勢」とは空諦なり。
(得大勢とは)円融の三諦・三身のことである。
<語句>
大勢とは仏の大威力をあらわし、それは智を表する。
得大勢の大とは他より勝れている菩薩の体を表するゆえに法身であり、中諦である。
勢とは勢いという性、すなわち智を表するゆえに報身であり、空諦である。
得とは大勢を得たという相を表するゆえ応身であり、仮諦である。
三身は仏に約し、三諦は衆生に約す。また、三身は正報の智に約し、三諦は依報の境に約す。
<講義>
円融の三諦三身というには、信心強盛にして御本尊と境地冥合していくならば、このような偉大な生命、人生を確立し、智慧豊かに功徳にあふれた、たくましい,清浄な人生行路を悠々と闊歩していけるのである。