四条金吾が他宗の僧と「諸法実相の法門」について法論したという便りを受けて、
諸法実相の法門がいかに重要な法門であるかを述べられている。
諸法実相とは伝教大師が万里の波濤を凌いで相伝した「一句万了の一言」だそうです。
そんなに大事な4文字なのに、悪しく心得て邪義をいうてるやつらがおると。
(説明書くより御書の本文を下に載せておきます。)
結構難しくて短い法門の説明があって、
最後の方に「細々とした論難はしてはならない。それ以上相手が言ってきたら『私の師匠である日蓮房に問答しなさい』と笑顔をもって繰り返し言いなさい」と言われている。私はそこに大聖人の奥深い愛情を感じてしまった。「うち咲(わら)うて」というのは(笑)うではなく微笑んでっていう感じなんだな~
法華経は釈尊の出世の本懐であり、一切衆生を皆成仏させる根元の法であるというのも、結局この諸法実相の四字よりほかには全くないのである。それゆえ伝教大師が万里の波濤を越えて相伝されたのもこの文である。
諸法実相の四つの文字を時々味わへ給うべし。(折々考えていきなさい)
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四条金吾殿御返事(法論心得の事)
建治元年(ʼ75)7月22日 54歳 (四条金吾)
わざと御使い、喜び入って候。また柑子五十・鵝目五貫文、給び候い畢わんぬ。各々御供養と云々。
また御文の中に云わく「去ぬる十六日にある僧と寄り合って候時、諸法実相の法門を申し合いたり」と云々。
今経は出世の本懐、一切衆生皆成仏道の根元と申すも、ただこの諸法実相の四字より外は全くなきなり。されば、伝教大師は万里の波濤をしのぎ給いて相伝しまします、この文なり。一句万了の一言とは、これなり。
当世天台宗の開会の法門を申すも、この経文を悪しく意得て邪義を云い出だし候ぞ。ただこの経を持って、南無妙法蓮華経と唱えて、「正直に方便を捨てて、ただ無上道を説くのみ」と信ずるを、諸法実相の開会の法門とは申すなり。その故は、釈迦仏・多宝如来・十方三世の諸仏を証人とし奉り候なり。相構えて、かくのごとく心得させ給いて、諸法実相の四つの文字を時々あじわえ給うべし。
良薬に毒をまじうることあるべきか。うしおの中より河の水を取り出だすことありや。月は夜に出で、日は昼出で給う。この事諍うべきか。これより後には、かように意得給いて御問答あるべし。ただし、細々は論難し給うべからず。なおも申さば、「それがしの師にて候日蓮房に御法門候え」とうち咲って、打ち返し打ち返し仰せ給うべく候。
建治元年乙亥七月二十二日 日蓮 花押
四条中務三郎左衛門尉殿御返事
法門を書きつるあいだ、御供養の志は申さず候。有り難し、有り難し。委しくは、これよりねんごろに申すべく候。