桟敷女房御返事 建治四年二月 五十七歳御作
白かたびら布一給い畢んぬ、法華経を供養申しまいらせ候に・十種くやうと申す十のやう候、其のなかに衣服と申し候は・なににても候へ、僧のき候物をくやうし候、其の因縁を・とかれて候には過去に十万億の仏を・くやうせる人・法華経に近づきまいらせ候とこそとかれて候へ、あらあら申すべく候へども、身にいたはる事候間・こまかならず候、恐恐謹言。
二月十七日 日 蓮 花押
さじきの女房御返事
法華経法師品大十に説かれている十種の供養をする者の功徳は「すでに十万憶の仏を供養し、諸仏のみもとにおいて大願を成就して、衆生を憐れむがゆえにこの人間に生ずるなり」とある。十種の供養については割愛します。(漢字と意味がわからないのが多いので)