第十二 「悪鬼入其身(悪鬼はその身に入る)」の事
御義口伝に云わく、「悪鬼」とは、法然・弘法等これなり。「入其身」とは、国王・大臣・万民等のことなり。
今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者を、怨むべしということなり。「鬼」とは、「奪命者(命を奪う者)」にして、「奪功徳者(功徳を奪う者)」と云うなり。法華経は三世の諸仏の命根なり。この経は一切の諸の菩薩の功徳を納めたる御経なり。
<講義より>
有名な悪鬼入其身ですね。悪鬼とは邪宗教、悪思想をいう。この段はこれらの恐ろしさを説かれている。思想ほど強いものはない。また、思想ほどこわいものもない。
悪鬼とは法然・弘法である。それらが国王・大臣・万民の身に入って、日蓮大聖人・日蓮門下を怨嫉するのです。悪鬼は生命をむしばむのです。
第十三 「但惜無上道(ただ無上道を惜しむのみ)」の事
御義口伝に云わく、「無上道」とは、南無妙法蓮華経これなり。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経を惜しむことは、命根よりも惜しきことなり。
これによって結ぶ処に、「仏自知我心(仏は自ら我が心を知ろしめせ)」と説かれたり。法華経の行者の心中をば、教主釈尊、御存知有るべきなり。「仏」とは釈尊、「我心」とは、今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者なり。