曾谷法蓮日礼に与えられたお手紙。 曾谷教信の法名が法蓮。
「父子成仏抄」ともいう。
亡き父の13回忌にあたって大聖人にご供養と諷誦を送ったことに対して、種々ご教示された大事な法門が書かれたお手紙。比較的長いお手紙なので講義では17章に分けて説明されている。
法華経に出てくる例え話が多かった。
有名な烏竜・遺竜の話も講義ではさらに詳しく書かれていた。
また「一水四見」は涅槃経と摂(しょう)大乗論とで微妙な違いがある。
涅槃経では、同じ水を餓鬼は火と見る、人間は水と見る、天人は甘露と見る、魚は住所と見る。
摂大乗論では、同じ水を天は宝の荘厳された池と見る、人は水と見る、餓鬼は膿血と見る、魚は住所と見る。
更に法華経の文字に関しても展開されていて、盲目の人は文字を見ることができず、肉眼の人には黒色と見える。二乗は虚空と見る、菩薩は種々の色を伴って見える。仏種が熟した人は仏と見る。(別の言い方では、「菩薩は無量の法門と見る、仏は一一の文字を金色の釈尊とご覧あるべきなり」とも言われている。)
いずれも対象物は同じでも見る主体の果報、すなわち過去世から積んできた業の果報により異なって見えることを強調している。
大聖人がご自身の怨嫉留難の生涯を書かれている14章(1051頁14行から1052頁14行)は感動。感涙。
大変な生活をされていたことが詳しく書かれていて、曾谷教信が身延の山までご供養の品を届けられたことに対して、「知らず過去の我が父母の御神(たましい)の御身に入りかわらせ給うか、又知らず大覚世尊の御めぐみにやあるらん、涙こそおさえがたく候へ」と言われている。
面白いたとえで、悪事を白髪に例えると白髪がまだ少なくて1本、2本と抜ける場合はそうするが、ほとんど白髪になってしまったらそっくり剃ってしまうしかない、という。
日蓮大聖人に敵対する悪人が全国に充満しているゆえに、日本国全体の大地が一時に割れて無間地獄に堕ちるしかないので、正嘉の大地震が起こり、文永の大彗星といった前代未聞の大瑞相が起こったのであると書かれている。
阪神大震災や東日本大地震も為政者がとんでもない人たちで国民の幸せを考えない政治家のせいで罪もない貴い命が奪われたと思ってしまう。自然災害だからしかたがないという人もいるかもしれないが、それだったとしても災害を予見して命を守る手立てというものはいくらでも手を打てたはずである。
最近、また国土が震度1から4くらいの幅でかなり毎日のように揺れている。国民が時の政府に対して怒っている、落胆している。生きていけなくて自ら命を落とす人もいる。
立正安国論の概略でも大事な要点でも、小学校高学年は教科書で学ぶべきだと思う。
それとともに創価学会の歴史と現在池田SGI会長が世界でどのように評価されているかを教えるべきである。星のように沢山存在する宗教の中の一つというものではない。世界にただ一つ太陽のように存在する正しい宗教なのである。その認識で国民が創価学会を見るようになれば、未来は変わってくると思う。