前半が欠けたお手紙です。年月と宛名は不明。
一説では四条金吾に与えられたものではないかと言われているようです。
大聖人門下が迫害を受け、迫害した者が罰を受け、石灰虫が降り、国の三分の一は飢餓に陥ったこと、蒙古の襲来のために国が滅びることがあっても、正法が流布することは疑いないと述べられています。
大果報御書
・・・・の者どもは少少追い出し、あるいは祈請文を書かせて法にすぎた処置であったが、七月末から八月の初めに所領がかわり、一万余束の作物さえも刈り取られて、山野にさすらったために、日蓮をなお誹謗しているからであると主君に言い切ったというが、貴殿が御帰りになった後、七月十五日より上も下もいしはいと申す虫(石灰虫)ふりて国の大体三分の一は飢えに陥った。大方の人は生きていけるかどうかもわからない。これまで気をつかっていただいたうえは、もうどのようなものであっても不可能と思っていたけれども、重ねての御心ざし法にも過ぎることである。
日蓮がなによりも気がかりなことは、貴殿の主君のご機嫌がどうかであるかと気になっていたが、なに事もなかった事は大変喜ばしいことである。
高麗や蒙古の事はうけたまわりました。なにとなくとも釈迦如来・法華経を失ったからには、大果報があったとしても、三年はよもやと思っていましたが、いくさ(戦争)や飢渇が続いた。我が国はどのようになるかはともかくとして、法華経の弘まることは疑いないであろう。
御母のことは法華経を読誦することにします。この使いが急ぐので、くわしく言えないのです。恐恐。