御書大好き!!

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御義口伝 化城喩品七箇の大事 第一 全732頁 新2021頁

下の方に全集を現代語に訳していますので、それを参考にして新版御書を読んでもらえるとうれしいです。

 

  化城喩品七箇の大事
 第一 「化城」の事


  御義口伝に云わく、「化」とは色法なり、「城」とは心法なり。この色心の二法を無常と説くは、権教の心なり。法華経の意は、無常を常住と説くなり。化城即宝処なり。詮ずるところ、今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者、色心を妙法なりと開くを、化城即宝処と云うなり。十界は皆化城にして、十界は各々宝処なり。
  「化城」は九界なり、「宝処」は仏界なり。化城を去って宝処に至ると云うは、五百由旬の間なり。この五百由旬とは、見思・塵沙・無明なり。この煩悩の五百由旬を妙法の五字と開くを、化城即宝処と云うなり。化城即宝処とは、即の一字は南無妙法蓮華経なり。念々の化城、念々の宝処なり。

 我らが色心の二法を無常と説くは権教なり、常住と説くは法華経なり。無常と執する執情を滅するを、「即滅化城(即ち化城を滅す)」と云うなり。「化城」は皮肉、「宝処」は骨なり。色心の二法を妙法と開覚するを、化城即宝処の実体と云うなり。実体とは、無常と常住とは俱時に相即し、随縁・不変は、一念の寂・照なり。一念とは、南無妙法蓮華経無疑曰信の一念なり。即の一字、心を留めてこれを思うべし云々。

 

御義口伝講義録が全集をもとに通解があるので、こちらを現代語にしておきます。


第一 「化城」の事
御義口伝には、次のように言われている。化とは色法(肉体・物質)である。城とは心法(精神・非物質)である。この色心の二法を無常と説くのは、権教の心である。

法華経の真意は無常を常住と説く。仮のものである化城が即宝処なのである。所詮今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱える者は、色心が即妙法の当体であると開き、即身成仏をとげることを化城即宝処というのである。十界皆化城であり、しかも十界おのおのが宝処である。化城とは九界であり、宝処は仏界である。

 

化城を去つて宝処に至るまで五百由旬の道のりがあるというが、この五百由旬とは見思・塵沙・無明の三惑である。この三惑、煩悩の五百由旬を妙法の五字と開くのを化城即宝処というのである。化城即宝処とは即の一字は南無妙法蓮華経である。念念の化城、九界の生命は、念念の宝処、すなわち仏界の生命となるのである。

我等が色心の二法を無常と説くのは権教であり、常住と説くのは法華経である。権教の無常の教えに執着する心を滅すること即滅化城というのである。

化城は皮肉であり、宝処は骨である。色心の二法の我が身即妙法と開覚することを化城即宝処の実体というのである。実体とは無常にして常住、倶時にして相即、随縁であってしかも不変なるものであり、妙法に照らされた一念の働き、生命自体をいう。

一念寂照の一念とは、南無妙法蓮華経であり、妙法を信じきった「無疑曰信の一念」である。化城即宝処の即の一字はとくに心を留めてこれを思うべきである。云云。