第三 「仏子住此地 則是仏受用(仏子この地に住せば、則ちこれをば仏は受用したもう)」の事
御義口伝に云わく、この文を自受用の明文というのである。「此地」とは、無作の三身の依る地なり。「仏子」とは、法華の行者なり。仏子は菩薩なり。法華の行者は(活動面、行動面から言えば)菩薩である。「住」とは、信解の義である。今、日蓮等の類い、南無妙法蓮華経と唱え奉る者は、妙法の地に住することとなり、仏の受用の身である。深くこれを思案しなさい。
<講義より>
仏受用(ぶつじゅゆう)の三文字は自受用身をあらわし、この文は自受用身の明文となる。また、師弟共に常寂光土に住することを書かれた御文でもある。
師とは久遠元初自受用身、即日蓮大聖人であり、大聖人の住するところ、すべて常寂光土である。弟(てい)とは御本尊を受持する者であり、信心に住する時、すでに師弟不二であり、それ自体、常寂光土、妙法の地に住したことになる。