第十七 不軽菩薩の礼拝の住所の事 これについて、十四箇所の礼拝の住所の事これ有り
不軽菩薩の礼拝の住所については十四か所ある。
御義口伝に云わく、まず、第一に礼拝の住所とは、多宝塔中の礼拝である。その故は、塔婆とは五大をもって形成するところのものである。五大とは地・水・火・風・空である。この塔婆を多宝の塔というのである。
法界すなわち宇宙広しといえども、所詮この五大には過ぎないのである。故に、塔中の礼拝と相伝するのである。秘すべし、秘すべし云々。【この法門は重々の法門であるから、後々までも秘していきなさい。】
<講義より>
多宝の塔とは御本尊のことである。地水火風空の五大は妙法蓮華経の五字である。ゆえに塔婆、多宝の塔は御本尊を意味する。御本尊を礼拝し、題目を唱えるところが、不軽礼拝の住所であり、己心の仏界を開いて成仏するところとなる。