建治元年（ʼ75）8月25日 54歳 窪尼
数々の品をいただき、誠にありがとうございます。幼い方のためにお守りをお送り申し上げます。このお守りは、法華経の中でも最も重要な教えであり、一切経の精髄ともいえるものです。たとえるなら、天における太陽と月、地上における大王、人間における心、宝物の中の如意宝珠、家における柱のような存在です。この曼荼羅を身近にお持ちいただければ、王が武士に守られるように、親が子を愛するように、魚が水を頼るように、草木が雨を願うように、鳥が木を頼るように、一切の仏や神々が集まり、昼も夜も影のようにお守りくださるでしょう。このことを深く信じ、しっかりとお守りいただきますようお願い申し上げます。
どうかお忘れなく、謹んで申し上げます。敬具
八月二十五日 日蓮 花押
妙心尼御前御返事
妙心尼については、まとめてスピンオフを書かせてもらいますね。
短い御書をいくつか先に載せます。
また、詳しく書くかもしれませんが、窪尼・持妙尼・妙心尼という三つの呼び方があるだけで、同一人物のことであるそうです。でも、持妙尼と窪尼・妙心尼が別人とする説もあるそうです。一般的には同一人物ということです。
