第五 「正法治国、不邪枉人民(正法もて国を治め、人民を邪枉せず)」の事
御義口伝に云わく、末法の正法とは南無妙法蓮華経である。この五字は一切衆生をたぼらかさぬ秘法なり。
正法を天下一同に信仰すれば、この国は安穏になるであろう。ゆえに、天台は(法華)玄義に云わく「もしこの法を根幹としていくならば、則ち天下泰平となる」。「この法」とは、法華経(南無妙法蓮華経)である。法華経(南無妙法蓮華経)を信仰すれば、天下安全(世界平和)になっていくことは疑いないのである。
已上、二百三十一箇条の大事
<講義>
政治は技術である。だが、政治の根底には必ず理念がなくてはならない。いかなる理念も持たないという政治などというものは、事実上ありえないのである。真に自由と平等の理想政治を具現していくためには、生命の尊厳が大前提になければならない。